職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第9回
「発達障害のある子を理解して育てる本」
田中哲・藤原美里 監修/学研プラス/定価 本体1500円+税

公益社団法人発達協会 王子クリニック 山下征己(言語聴覚士)

発達障害特有の理解しにくい行動にはどのような理由があるのか、どうしたら改善するのか。筆者が発達障害の子どもとかかわる上で生じる疑問の理由と改善法について、具体的にまとめられた本を紹介します。

児童精神科医で東京都立小児総合医療センター副院長を務める監修者の一人、田中哲先生は、「子どもたちの行動には、意味がなさそうに見えることがたくさんありますが、実は意味のない行動など1つもありません。」と、述べています。子どもの行動には必ず理由があり、その理由を私たち大人の規準ではなく、それぞれの子どもの規準で探っていくべきだということです。本書の中の「こんなときどうしたら?気になる姿と対応」では、目が合いにくい、友だちとトラブルばかり起こす、落ち着きがなく授業に集中できない等、発達障害で起こりうる27項目の課題についてその理由と改善法を、イラストとともに具体的に紹介しています。また、「発達障害のある子を理解して育てる」というタイトル通り、診断名や行動面の解説だけでなく、健診等で発達障害が疑われた際に、どこに相談したら良いか、幼稚園・保育園の選択や対応方法、就学までに準備するべきこと等、子育てをサポートしてくれる機関や園・学校についてのアドバイスも記載されています。保護者の方にもお勧めです。




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