職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第35回

見える形でわかりやすく TEACCHにおける視覚構造化と自立課題

ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部/編集 

エンパワメント研究所/出版社 定価(本体800円+税)


公益社団法人 発達協会 療育部 村田純一(社会福祉士)

自閉スペクトラム症のある子どもへの指導においては、特性に応じた様々な工夫が必要ですが、その一つに「視覚的構造化」という考え方があります。筆者は課題作りのアイデアが欲しいと思い、本書を手に取りました。 本書では構造化のゴールを、自立して課題や作業を行えることとしています。また、その際のポイントを以下の3つに絞り、教材の写真とともに様々な例が紹介されています。

@「視覚的指示」…達成の手順を視覚的に示すこと。一目見てわかる材料そのもの、ジグ、リスト、指示書、見本といった形で示されます。

A「視覚的整理統合」…材料の整理や作業空間の制限をすることで刺激を調整すること。

B「視覚的明確化」…重要な材料や指示をさらに強調すること。色や絵、数字あるいは文字、材料そのものの量の制限などで示されます。

しかし筆者がはっとさせられたのは、指導に先立ってのアセスメントや目標設定、指導を行っての分析、再構造化までのサイクルの必要性が詳しく解説されていることです。構造化はあくまで手段であり、指導の目的やアセスメント無しには成り立ちません。目的によっては他の手段も併せて考える必要も出てくるでしょう。当たり前のことかもしれませんが、事前の目標立てと計画、介入後の評価と修正がいかに大切かを筆者は再確認させられました。

指導に携わる支援者の皆様だけでなく、ご家庭での取り組みにも役立つ内容ですので、保護者の方にもおすすめです。




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