職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第44回

『発達障害の子の療育が全部わかる本』

原哲也/著 講談社/出版社 1,540円(10%税込)


公益社団法人 発達協会 療育部 金吉梨子 (言語聴覚士)

「わが子の発達障害と向き合う保護者が知りたい情報とはなんでしょうか。 「集団に馴染めない」「お小遣いってあげたほうがいい?」「告知」「兄弟姉妹の関係」「保護者の鬱」「就学・就労の選択」…これらは実際に保護者の方からいただいたご相談です。同時に、机上の課題を達成することばかりに目が向いていた筆者がドキッとした言葉たちでもあります。回答に悩んだ際に本屋でこの本を見つけ、手に取りました。

著者である原先生は、発達支援事業所を運営され、言語聴覚士として臨床にも携わっておられます。保護者の方の多くが、これから何がどうなるか全くわからない不安の中にいると感じ、「この本を読んでこれからどういうことに出会うか、その時に何を考えたらいいかがわかり、それが保護者の力になれれば嬉しい」と考えご執筆されました。

本書は全5章から成り、発達障害と向き合う保護者の方に必要な情報が詰め込まれています。また、コンセプトは「療育のすべてがわかる辞書」です。必要なところから読むもよし、最初から読むもよし、気になるところは知識を深めるもよし、様々な使い方ができる一冊になっています。

そして、本書は保護者の方にはもちろん、療育に携わる方にもお勧めしたい一冊です。 文中に「保護者を支える。それも療育の一部。」という一文があります。保護者の疑問や不安を知ること、それに答える力を持つこと、そのために私たち専門職が知るべき情報のヒントが載っています。ぜひご覧ください。




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