できる!をめざして
-発達障害をもつ子への
 身辺自立の指導と援助

武藤英夫 著

食事、着脱、排泄、買い物等、暮らしの技能について、
自分でできる!ようになるまでの道筋がわかります。


仕様 A5判 208ページ
定価 :2,200円(10%税込)
発行 かもがわ出版



目次
はじめに  
第1章 食事          
  食欲/食べものをどのようにして口に運ぶのか/口に入った食物を噛んで飲み込むまでのそしゃくの動き/マナー
 1 スプーン・フォーク  
   道具立て(スプーン・フォーク)/練習/つまずきやすいポイント(うまくすくえない、うまく刺せない・よくこぼす)
 2 お箸      
   道具立て/練習/つまずきやすいポイント(お箸の持ち方が悪い・よくこぼす)
 3 器をもつ    
   器持ちの意味/練習
 4 そしゃく   
   唇を使わないで食べる子/すぐに飲み込んでしまう子/食べたものを出してしまう子
 5 種を口から出す(うがいの前段階)   
 6 みかんの皮むき   
 7 不都合なやり方の切りかえ  
   立ち歩かないで食べる/偏食(1.食べもの自体2.食べ方3.加工法4.そしゃくと関連)

第2章 着脱               
   ボディーイメージ・粗大動作/形の認知・空間位置把握/手指動作/手順
 1 脱ぐ    
   かぶりのシャツ/ズボン/くつ
 2 身につける(道具立て/練習/つまずきやすいポイント)   
   かぶりのシャツ/ズボン・パンツ/くつ/くつ下/前開きシャツ/ボタン/ホック/ひも結び
 3 たたむ    
 4 不都合なやり方の切りかえ   
   着衣を身につけたくない

第3章 排泄              
   排泄リズム/見えないところの操作/汚れへの感覚・身だしなみ
 1 トイレで排泄   
   時間排泄/予兆を見つける/トイレ嫌い/トイレと伝えさせる
 2 男児の排尿    
   道具立て/練習/つまずきやすいポイント
  (おちんちんに触りたがらない・前立てでは排尿しない・おちんちんが小さい・パンツをすぐ下ろす・まわりを汚す)
 3 排泄の始末   
   道具立て(洋式便座にお尻が落ちる子・ペーパーカッター・ウォシュレット)
   /練習(ペーパーのたたみ方・おしりの拭き方・汚れの判断・身だしなみ・マナー)
   /つまずきやすいポイント(肛門に手が届かない・外のトイレに入れない・排尿か排便かわからない)

第4章 清潔          
   触角と動きのコントロール/手順の長さ/「きれい」の理解
 1 手洗い   
   教え方
 2 入浴(洗体)   
   道具立て(タオル・セッケン)/練習(体を洗う)
   /つまずきやすいポイント(こする時力が入らない・中学生だがまだよく洗えない)
 3 洗髪   
   道具立て(シャンプー・シャンプーハットとイス)/練習(静止姿勢・目をつぶる・湯をかける・こする・ゆすぐ)
   /つまずきやすいポイント(まんべんなくこすれない)
 4 洗顔   
   洗い方
 5 歯磨き  
   道具立て(歯ブラシ)/練習(こする感触になれる・自分で歯ブラシをもたせてこする・磨く順番を教える
   ・視覚的情報が得意な人・聴覚的情報の得意な人・数唱が得意な人)
   /つまずきやすいポイント(歯ブラシを噛む・歯ブラシでかき出す一方で戻せない・くり返し磨くが磨き落としがある)
 6 うがい    
   教え方
 7 鼻をかむ   
   教え方(目安を使う・鼻呼吸をうながす・模倣の力をのばす)
 
第5章 健康・睡眠              
   習慣化/医療との関係
 1 生活リズム    
 2 睡眠       
   寝つきよくする(体を動かす・頭を使う・起床時間・環境調整と寝る前の準備・興奮する子・中途覚醒・薬)
 3 肥満      
   肥満の基準/肥満の原因(生理的に・習慣・よかれと思っていいたこと)/対象
 4 便秘   
   運動/食事/習慣
 5 治療になれる    
   診察以前/診察(お医者さんごっこ・脳波・注射)

第6章 手伝い                 
 1 「手伝い」の5つの時期   
    導入期/初期/拡大期/充実期/仕事期
 2 寝具準備      
 3 水まわりの手伝い  
   ご飯を炊く(米とぎ/米を量る)/食器洗い(洗剤とスポンジ・洗い)
 4 調理以前の手伝い  
   台拭き(絞る・拭く)/配膳(ランチョンマット・お盆で運ぶ)/食器片付け(食器を棚に戻す)
 5 お料理を手伝う    
   刃物以前(ピーラー)/包丁(包丁で切る)

第7章 社会生活技能 
   社会生活技能とは    
 1 歩く    
   歩きの効用/いっしょに歩くのが大変な子/自分の要求を通そうと座り込む子/歩くのを嫌がる子
   /走り出したり、どこへ行くか目が離せない子(大人の近くで歩けない場合・座り込もうとする場合・待てない場合)
   /道順にこだわる子/山へ行こう
 2 傘をさす    
   傘を持つ/傘を上に向ける/傘の開閉(開閉のタイミング)
 3 信号     
   信号を探す/信号の違いに気づく(色と行動を結びつける)/どの信号を見ればよいか/大人を頼る
 4 自動販売機・券売機    
   財布/自動販売機での買い方の手順/券売機(千円札)
 5 買い物      
   使うお店/品物の指定/探す/レジに並ぶ/支払い(おつりをもらう・品物をしまう)
 6 交通機関の使用   
   電車(改札口・乗車中・電車の選択・路線図・行き先表示)/バス(料金支払い・乗車中・降車)
 7 電話    
   ダイヤル/かけること(用件を決める・相手が出てから話す・音声のはっきりしない人・いたずら電話)/
   電話を受ける/公衆電話/携帯電話
 8 時間   
   カウント/タイマー/時間を見せる(アナログ時計・デジタル時計・あと何分?)/カレンダー
 9 外食
   オーダー/待つ/マナー/好き嫌い/ファーストフード

第8章 教えるときに困ること       
 1 泣き騒ぐ   
   泣く子どものパターン(急に泣きだす子・不安の強い子・たやすく泣く子・こだわる子)
   /崩れやすいパターン(うまくいかないで崩れる子・失敗した思いで崩れる子・失敗にはりつく子・感覚的な違和感から崩れる子)
 2 注意が途切れる   176
   視線がさまよう(集中せねばならぬ手立て・集中したくなる手立て)/視線がはりつく/常同行動にはまる

第9章 誰に何をどう教えるのか          
 生活面での区切り方  
 1 まだ模倣を十分におこなわない時期   
   この時期のポイント(興奮を鎮める・変化や感覚的弱さへの対応・ほめられることがわかる
   ・せざるを得ない形をつくる・注意を戻す・簡単なルールを伝える・マネを誘導する)
 2 模倣をはじめた時期   
   この時期のポイント(自己コントロールの経験を積む・簡単な目安の導入・細かい動きの導入)
 3 目安が使える名詞中心理解の時期   
   この時期のポイント(行動を変えるキーとして目安を使う・手順・成否判断の導入) 
 4 文字の理解と使用ができる時期    
   この時期のポイント(注意点への自覚・記憶にとどめる)
 5 簡単な比較ができ、成否判断がもてる時期   
   この時期のポイント(成否判断から広げる・時間を気づかせる)
 6 どちらでありたいか価値判断しはじめる時期   
   この時期のポイント(約束を守る・マル・バツだけではない価値基準) 
 7 目標や役割を定めて努力する時期   
   この時期のポイント(自分にとっての意味)

あとがき   



著者プロフィール
武藤 英夫 (むとう ひでお)
早稲田大学第一文学部心理学科専攻ならびに修士課程修了
(社)発達協会 指導部部長、神谷指導室室長兼務
臨床心理士・言語聴覚士・精神保健福祉士・社会福祉士
目黒区障害児保育巡回相談員





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