職員の読書日記 職員の読書日記

このページでは、職員の読書日記を紹介いたします。
発達協会の職員である私たちが、出会った本の感想などを紹介するページです。


第45回

『やさしくわかる! 愛着障害-理解を深め、支援の基本を押さえる』

米澤好史 /著 ほんの森出版/出版社 1,980円(10%税込)


公益社団法人発達協会 療育部 長田真歩(作業療法士)

みなさんは、「愛着障害」を知っていらっしゃいますか?恥ずかしながら私はこの仕事を始めるまで、「愛着障害」を言葉としても知りませんでした。臨床の現場で、子どもと関わっていくうちに、親子での関りがうまくいかないケースを持つことが何度かありました。その時に偶然にも本書の著者である、米澤好史先生の講演を聞く機会があり、愛着障害について学びたいと思い、この本を読み始めました。

近年、教育や保育などの現場で、様々な行動の問題があり、その対応や支援、指導が困難である「気になる子ども」が増えています。著者はこうした子どもを理解するためには、愛着(アタッチメント)の問題、愛着障害という視点が必要と述べています。ただ、愛着障害の子どもと発達障害の子どもの行動特徴は重なる部分があります。この本の内容で私自身とても参考になったことのひとつは、愛着障害のある子どもと発達障害のある子どもの見分け方です。

例えば多動傾向の子どもの場合、その行動が<感情>と関係しているのが愛着障害、<認知>と関係しているのがASD、<感情>も<認知>も関係してないのがADHDなどと、わかりやすく書かれています。私の頭の中でごちゃごちゃであった子どもの捉え方や見方について整理される感覚があり、どのように子どもを評価・観察をすれば良いかを学べました。その他、実際の臨床場面で活用できる支援方法が具体的に記載されているので、読んで活用してみてください。




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